じょるるんです。

孤児院を抜け出したあとのマナどのの生活は実にひどいものだった・・・。

ザァァァァァァァ・・・・
雨
軒先や教会、廃墟などで寝泊りをしながら、施しを頼りにした生活が数ヶ月続いた。


パンを買う唯一の方法は、漁港で余った魚の頭をもらい、
魚の頭
それを 「カモメのえさ」 と称して売り歩くことだった。

やはり今も昔も商才はなかったらしい・・・。

物珍しさと憐れみで購入してくれるひともいたが、
かもめ1
ほとんどの場合は、

かもめ2
小汚い少女に奇異の目を向ける人のほうが多かった・・・。





そして、

マルセイユが秋の終わりを迎えようとしていた頃、

口にできるのは広場噴水の水だけ・・・そんな生活が5日目を迎えようとしていた・・・

冬の澄み切った空気が街を覆いはじめると同時に、

ひとつの命の灯火が、今まさに消えかけようとしていた・・・






それでもマナどのは父を思い出す大好きな海を見ながら、
最後の声
最後の声を・・・喉の奥から振り絞った・・・・




幼い彼女には無自覚なまま、同時に意識が沈んでゆく・・・・・

・・・まま・・・・・・・

まぶたがゆっくりと閉じていく・・・・

・・・ぱぱ・・・・・・・・・・・・・


一瞬、父の笑顔が、光のなかに見えた気がした・・・






・・


・・・

おい・・・・

おい・・・

おい・・・!





波間を揺らすような大きな声に、意識が再び呼び戻される・・・。

おいちっちゃいの





ピエール
振り返った男は、マナどのの5倍はあろうかという大男であった。

少しクセのある長髪の奥に鋭い瞳が光る。

マナどのは眩しい秋の陽光に抗いながら、その大男の顔を見つめたが、

眩暈をおぼえて彼の足元に崩れると同時に、



バサッ・・
1枚の絵が地面に広がった・・・。



倒れそうになるマナどのを抱えながら、くせっ毛の大男は地面に広がった絵に目を疑った・・・。
絵がおちる4
・・・こ、これは・・・・・


男は訊ねる・・・
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・・・・・ア・・ドリアーナ・・・マ・・ナ・・・・


そして訊ねる・・・
042513 173600_2


・・・・・・・・・・


バスティアン2
・・・!!!・・・

・・・この孤児・・・・・

・・・お前・・・バスティアンの・・・・・・・・・・

・・・風の噂には聞いていたが・・・・真実であったとは・・・

・・・・・なんて・・・こった・・・・・・







- 4年前 ナント沖西80海里 -






決着を!
フランスとブルターニュ公国が戦争状態にあった頃、フランス唯一の私掠海賊ピエールにとって
バスティアンは、北ヨーロッパ方面での私掠活動を妨げる唯一の障害であった。
幼い頃から徹底的に剣術、戦術を叩き込まれてきたバスティアンとは対照的に戦闘を含むすべての
生存技術を自らの手で獲得してきたピエール。この2人の戦闘は、17回にも及んだと記録がある。
そして17回目の戦闘は、両者の一騎打ちとなった・・・・。


042513 162013
この頃すでにブルターニュ公国は劣勢の状況に陥っていた。
敗戦と降伏、そして併合の危機がすぐそこまできていることは、当然、両者の知るところであった。


貴様と組む?
不遇な幼少期を過ごし、ただ、ただ生き残るためにフランス私掠海賊になった者と・・・


そんな日はこない!2
滅びゆく小国の軍人として信念だけを頼りに100年先を考える者・・・


戦い111
このふたりの戦士は、何度も何度も刃を交えた。
それはまるで、互いの欠点を確認し合い、埋め合わせをしているようでさえあった・・・。


逃げるか?
こうして17度目の戦闘でも決着はつかなかった・・・。

この1年後、ブルターニュ公国はフランスに併合されている。

そして、海賊ピエールはカリブ方面を拠点として活動を続けていた。

マナどのに会った日は、数年振りのマルセイユ帰港であったようだ・・・。





ったくよぉ・・・・



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                        ・・・・・・・・・・・

                     バスティアンよ・・・

              あんたはその日は絶対に来ないと言い切ったが・・・・







その日




気が向けば、つづく


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